熊野・花の窟(いわや)へ







2日目に訪ねたのは、熊野にある、花の窟(いわや)でした。

ここは、女性神イザナミノミコトの墓所とされている場所で、

訪れた10月2日は、「お綱かけ神事」の日でした。



●花の窟のご神体。高さ約45メートル。見上げるほどの巨大な岩●




●お綱かけ神事の詳細です。二度クリックしてご覧ください●


私たちは午前9時すぎに境内に着いたのですが、

すでにたくさんの人が集まっていて、

皆、写真を撮ったり、手を合わせたり・・・。

お祭りのにぎやかな雰囲気とはまた違う、静かなざわめきに満ちていました。



花の窟では、熊野の民俗学に詳しい三石学さんが待っていてくださいました。

鳥居の前にある道標の意味や、本居宣長の歌碑、

南国に近い境内の植物相のことなど、丁寧に説明してくださり、ありがたかったです。

着いて早々、参道脇でおまんじゅうとお茶のお手前もいただいて・・・

朝からまったり~、でした(^_^;)



実は・・・三石さんは前日の夜にも宿の方に立ち寄ってくださって、

江戸時代の図版を元に1時間近く、

「お綱かけ神事」についてのお話をしてくださいました。

なので、皆、神事の予備知識は完璧。

「早く、始まらないかな~。」と、わくわく。



●とりどりの生花が結ばれたお綱●



ほどなくご神体のてっぺんから、分銅付きの縄が下ろされて、神事の始まりです。






この分銅に、先ほどの生花が結ばれたお綱をつなぎ、

ご神体の上に引きあげます。






ある程度、お綱が引き上げられたなら、参拝者は三々五々、境内を出て、

道路を挟んだ七里御浜へ。

お綱もずっと、浜まで引っ張られてゆきます。


●七里御浜からのご神体とお綱。白装束の方が小さく見えます●


●七里御浜より、遠景●

神事が始まったころからポツポツ降り始めていた雨が、

かなり本格的になってきました(>_<)



●大峰山系から流されてやってきた、七里御浜の石●



お綱が張られた後は、巫女さんの舞や玉串の奉納のため、再び境内へ。



●境内からのお綱●

雨だったので、写真の色がきれいに出なくて、ちょっと残念~(>_<)

青空を背景に、色とりどりの花のお綱を撮りたかったです。

でも、持って行ったTG-3は完全防水のタフなカメラなので、

雨でもストレスなく写真を撮ることができました。

コンパクトカメラにしては、画質も上々だと思います(^_^)




花の窟では、神倉神社のようにピリピリ空気が震えることはありませんでした。

ただ、三石さんに、

「ここが境内で、一番パワーが集まっているところだそうだよ。」

と教えていただいた場所に皆さんといると、

雨が降っているのに、太陽が射してきたように頭が熱くなってきて、

なんだか周りの空気も生温かくて、

「こ、これはピンチかも・・・。」

だんだん、頭がガンガンに痛くなってきました(>_<)

「単に旅の疲れだよ、きっと。」

と、思ったのですが、花の窟での行程を終え、

電車で熊野から新宮まで戻ったところ、スカッと頭痛は解消。

「い、一体、何だったんだろう・・・。」

私は時々、場所との相性が良くないときがあるので、

花の窟も、そうだったのかもしれません・・・(^_^;)




最後に、熊野市駅のアートです(^_-)-☆


●さんま干し。さんま寿司が名物です●





●ゆかいな三本足・八咫烏
八咫烏ひよこ?!●



短歌教室の皆さんとは、10歳から20歳、年が離れているのですが、

いろいろお気遣いもいただいて、

一緒にしゃべっていると、片道4時間もあっという間でした。

また、今回のような密度の濃い旅ができれば嬉しいです~(^_^)













南紀・新宮、神倉神社へ





10月1日・2日、短歌教室の小黒世茂先生と教室の皆さん6人とで、

南紀・新宮の神倉神社と、熊野・花の窟(いわや)に行きました。

神倉神社は男性で陽の岩がご神体、花の窟は女性で陰の岩がご神体の由、

今回は陰と陽を巡る旅です。


特急くろしおで、紀伊半島をぐるりと突端まで南下、

ほんのちょっと北上したなら、新宮市。

駅からタクシーで10分もかからないほどのところに、

神倉神社はありました。






●神倉神社●

事前に聞いてはいたのですが、かな~り急な石段です(>_<)

でも、石の並びがすごく綺麗・・・。




ところで、小黒先生のはからいで、

神倉神社には仙人のような修験道の先生が来てくださっていて、

石段の下からずっと、同行してくださいました。

「どうしよう、こんな石段、上れない・・・。」

と、70歳を越えたMさんは、最初、ほぼ両手をつくような姿で段を上っていたのですが、

「手を貸しましょう。」

白い髭の修験道の先生がMさんの手をとったとたん、

Mさんの腰がすうっと伸びて、

「あれ、上れるわ。あれ、あれ。」

ゆっくりではありますが、不思議にMさんの足取りがしっかりし始めました。





●修験道の先生の杖。桜の木でできている由●





●石段の道々●


●頂上の鳥居●


結局、全員、ご神体までたどりつくことができました\(^o^)/



●ご神体の巨石●


私は特別、スピリチュアルなことに興味があるわけではないのですが、

ご神体の下に立つと、空気がピリピリと細かく振動しているのにびっくり。

何だか体が、ぐうっと上にひっぱられてひっぱられて、

普通に立っているのが難しいくらいでした。

(でも、まったく怖い感じではなかったです。)




小黒先生がお酒やお米などを用意してくださっていて、

ご神体の真下で、修験道の先生が長いご祈祷をあげてくださいました。

(石笛の、鋭い風のような音色が印象的でした。)

仏教の、祖先を大切にする心と、神道の、神様を敬う心と、

日本は両方の心を大切にしている国とのこと。

「みなさん、気持ちのきれいなひとばかりだったから、

 今日のご祈祷、本当にものすごく楽やったよ。

 悪いモノを持っていると、たいへんなんやけどなあ。」

修験道の先生はそう言って、にこにこ笑っておられました。

悪いモノがあれば、吸い取り紙のようにそれを取り込み、

ご祈祷をして放つのが修験道の先生の役割の由。

考えただけでも、強靭な体力と精神力が要りそうです~~(>_<)

「今も、ご先祖さんがみなさんの後ろについてこられてるよ。」

先生はそう言われたので、

「亡くなったお父さんと娘も、一緒に来てるのかな…。」

単なる観光ではなく、いろいろなことを考えさせられた、

神倉神社への旅でした。



















皆既月食











先ほどの皆既月食、こちらでは空が澄んで、とてもきれいに見えました。

写真は、長男マメ(高3)が撮ったものです。



皆既月食の間は星もたくさん見えて、

西に傾いた、夏の大三角のデネブからアルタイルにかけて、

淡い淡い銀砂が・・・。

ひさびさに見る、天の川です。

このごろは空が明るくなって、なかなか見ることができないのですが、

やっぱり、秋は空気が澄んでいるのですね~。

皆既月食の、思いがけない贈り物でした(^_^)v



今はまた、ダイヤモンドリングならぬムーンリングがあらわれて、

月は少しずつ光を取り戻しています。

時々、外に出ては経過を見るのも楽しみのひとつです。




今日の夕焼け







今日は諸事情で、晩ごはんの支度をお休みできる日でした。

なので夕方、マメタコ兄弟を連れて、おうどんを食べに出かけました。

駐車場に車を停めたなら、ちょうど見事な夕焼け\(^o^)/



私はかばんの中にいつも、オリンパスの小さなカメラ、TG-3を入れています。

「カメラを持っててよかった~!

 ちょっと写真を撮ってから、お店に入ろうね。」

と、私が言った時にはもう、

するりと勝手にTG-3を取り出していた兄マメが、

夕焼けを撮り始めていました~。

だから・・・この写真はマメの撮影です(>_<)

綺麗に撮ってくれたから、良いのですけどね・・・。




ところで、10月1日と2日、短歌教室の小黒世茂先生と教室のみなさんとで、

新宮の神倉神社と熊野の花の窟(いわや)に行ってきました。

家族と離れて一人の旅は、たぶん20年ぶり。

ちょっと不安でしたが、夫もマメタコ兄弟も、「大丈夫。」と言ってくれたので、

思い切って一泊の旅に出ることができました(^_^)



神倉神社では修験道の先生が長いご祈祷をしてくださり、

花の窟では熊野の民俗学に精通されている三石学さんが、

ずっとご一緒してくださり、

小黒先生のおかげで、ただの観光ではない、

密度の濃い旅ができてありがたかったです!

写真等、整理ができたら、ブログにもUPしますね(^_^)v




また台風が近づいている由、被害が最小にとどまることを願うばかりです・・・。